山本アーセンは、レスリングの元世界チャンピオン山本美憂を母にもち、サッカー元Jリーガーの池田伸康を父にもつ、プロアスリートの血統を受け継いだ才能あるレスリングの選手です。
山本美憂の弟が山本“KID”徳郁ですので、山本アーセンにとってKIDは、叔父さんにあたります。
現在もアマチュアのレスリング選手としてオリンピックを目指し活動する山本アーセンですが、RIZINが立ち上げられた2015年の年末に参戦してから、総合格闘家としてもリングに立っています。
今後アーセンは、どのような道を進もうとしているのでしょうか。
山本アーセン経歴
山本アーセンは、1996年9月8日生まれで、現在21歳になります。
祖父・母・叔父・叔母がレスリングのトップ選手だったこともあり、山本アーセンは4歳の時からレスリングを始めています。
恵まれた環境や素質から、既に小学生時代に様々な大会で優勝し、才能あるところを見せつけていました。
中学生の時には、レスリングのグレコローマンスタイルが盛んなハンガリーに留学しました。
祖父や母のコネクションがあったかもしれませんが、中学生で外国へ単身留学ですよ。
その度胸と行動力に感心します。
高校2年生の時(2013年)には、一旦帰国して出場した全日本ジュニアレスリング選手権大会カデット部門(15~16歳)でいきなり優勝し、ハンガリー留学の成果をレスリング関係者にアピールする良い機会となりました。
高校卒業後には日本への帰国をはたし、2016年のリオデジャネイロオリンピックの出場を目指しましたが、2015年6月の全日本選抜選手権に出場かなわず、オリンピックの日本代表にはなれませんでした。
山本アーセンの家族
アーセンの祖父は、ミュンヘンオリンピック(1972年)で、レスリング日本代表となった山本郁榮です。
冒頭で簡単に書きましたが、山本アーセンの母親は、レスリングの元世界女王の山本美憂です。
山本美憂は、世界選手権での優勝経験はありますが、オリンピックの出場経験がありません。
彼女が全盛期の頃、レスリングの女子階級が、オリンピックの正式な種目になっていなかったからです。
オリンピックに女子レスリングの種目が加わったのは、2004年のアテネオリンピックからでした。
この時に、吉田沙保里や伊調馨や浜口京子の活躍で、一躍女子レスリングが注目されるようになりました。
また、アーセンの叔父にあたるのが、山本“KID”徳郁です。
総合格闘技で活躍し、ほとんど説明の必要がないくらい有名な人物ですが、1977年生まれのKIDも早40歳、年齢と怪我には勝てず、2015年のUFCでの試合を最後に総合格闘技の試合を行っていません。
アーセンの総合格闘技戦歴
リオデジャネイロオリンピックの日本代表になれなかったアーセンに、2015年RIZINからオファーが入ります。
アーセンが2015年年末にライジンに参戦した時の相手は、ヒクソン・グレイシーの次男のクロン・グレイシーでした。
クロンはまだ総合格闘技2戦目とはいえ、柔術やグラップリングの世界大会で優勝し、2013年には青木真也と対戦、ギロチンチョークでタップを奪い勝利しています。
何よりも、ヒクソングレイシーの息子としてのカリスマ性を持っている選手なので、アーセンがデビュー戦として避けることも、選択肢としてはあったと思います。
試合は、ほぼ決まりかけた腕ひしぎ十字固めから脱出したり、クロンに2度マウントポジションを奪われながら体を入れ替えたりと、会場を盛り上げましたが、最後は三角締めでギブアップを奪われてしまいました。
アーセン本人は相当悔しかったと思いますが、デビュー戦で相手がクロン・グレイシーということを考えれば、やむを得ない結果です。
ただ、会場はとても盛り上がっていました。
その後、アーセンは総合格闘技の試合を3戦おこない、結果は以下の通りです。
開催日 | 対戦相手 | 勝敗 | 結 果 |
2016年9月25日 | 才賀紀左衛門 | 〇 | 判定(2-1) |
2016年12月31日 | 所英男 | ☓ | 腕ひしぎ十字固め |
2017年6月9日 | ジェシー・ローグ | 〇 | TKO |
今年6月の試合は、アメリカ・ミネソタ州で開催された「King of the Cage」という大会です。
アーセンの夢・目標
10月15日に開催されるRIZINの大会でアーセンは、男子バンタム級トーナメントに出場することが決定しています。
初戦を勝ち上がれば、その後年末29日と大晦日の試合にすすめるわけですので、今年いっぱいは総合格闘技に集中していくでしょう。
今年の夏、アーセンは東スポのインタビュー(2017.8.31)にこう応えています。
「自分の夢は五輪王者だし、悔いが残ることはいっぱいある。 本当にまだ諦めてないし、二足のわらじを履くきもないし、それはちゃんと(いいタイミングで)ケジメをつけられたらと思いますね」
『夢は五輪王者』と明言しています。
また、アーセンは過去に
「オリンピックに行きたいという夢はお母さんが(2004年の)オリンピック予選で負けて、記者の前でバシャバシャ写真を撮られながら謝ってるところを見た瞬間に、お母さんの代わりに勝たないとって思ってからオリンピックで勝ちたいという想いが沸いてきた」 【livedoor NEWS(2016.9.14)】
とも語っていました。
40歳を超えてなお総合格闘技に挑戦し続ける母親を、アスリートとしても母としても、アーセンはとても尊敬しています。
2016年、日本レスリング協会は、『2020年ターゲット選手』として男女合わせて74選手を選出しました。
その中の男子グレコローマン75㎏級の3名の中の一人に、山本アーセンが含まれています。
アーセンが「二足のわらじを履くきもない」と言っているように、どこかのタイミングで一旦は総合格闘技をお休みして、レスリングに完全投入していくことは今のところ確実です。
RIZINの試合を観たい人は、こちらをどうぞ⇒【フジテレビ公式動画配信サービス】
2016年のRIZINの試合が観れます。
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