多くの格闘技ファンが待ち望んでいた、那須川天心と武尊の対戦が決定しました。
所属団体の壁を越えて『天心 VS 武尊』戦を実現させた関係者の努力に、素直に感謝したいです。
那須川天心が、国立代々木競技場第二体育館で開催されたK-1の会場で、試合後の武尊に声をかけ対戦を要求したのは、2015年11月21日のことでした。
あれから6年以上が経ち、天心と武尊の間には団体の壁だけではなく、階級の問題も横たわっています。
果たして、今年の6月に予定されている『天心 VS 武尊』戦では、契約体重や試合ルールは、どのような内容で決定しているのでしょうか。
天心VS武尊戦の契約体重
契約体重は前日計量58㎏で、更に当日計量62㎏に決まりました。
キックボクシングでもボクシングでも、基本的には前日計量が普通です。
前日計量をおこなった上で、当日の体重増量の制限をおこなっているのは、主要な団体では、ボクシングのIBFが10ポンド(約4.54kg)以上増量してはいけないルールを適用しています。
『天心 VS 武尊』において、契約体重が試合結果に大きな影響を与えるであろうことは、現在の天心と武尊のベスト体重に差があることから理解できます。
直近の試合の体重比較
直近のキックボクシングの試合における、それぞれの計量時の体重を比較してみます。
那須川天心は、2021年9月23日の鈴木真彦戦の前日計量では、54.9㎏でした。(バンタム級55kg契約)
それに対して武尊は、2021年3月28日にレオナ・ペタスと試合を行い、前日計量時は60㎏でした。(スーパー・フェザー級60kg契約)
ご覧のように、直近の試合前日計量で、天心と武尊の体重差はおよそ5㎏です。
この体重差はボクシングでいえば、2~3階級違うことになります。
【ボクシング階級】
バンタム級:115ポンド超え118ポンド(53.52キロ)まで
スーパー・バンタム級:118ポンド超え122ポンド(55.34キロ)まで
フェザー級:122ポンド超え126ポンド(57.15キロ)まで
スーパー・フェザー級:126ポンド超え130ポンド(58.97キロ)まで
ライト級:130ポンド超え135ポンド(61.23キロ)まで
キックボクシングの場合、団体によって多少の違いはありますが、二人の体重差は2階級の違いはあると思って間違いありません。
那須川天心は2018年から2020年には、58㎏契約で試合をおこなっていたこともありました。
2018年6月に対戦したロッタンとの契約体重は57.15㎏、2019年7月のスアキムとの再戦では、契約体重58㎏でした。
新型コロナウイルスが蔓延する前、海外の『ONE』や『GLORY』から天心サイドにオファーがあったということなので、海外進出を視野に入れて、体重増を計っていたのかもしれません。
しかし結果的には、コロナ禍ですべてのオファーが白紙になりました。
2020年になると、新型コロナウイルスの影響で外国人選手が日本に来れなくなり、マッチメイクでもかなり苦労したようです。
その後、那須川天心は2021年4月10日に、ボクシングへの転向を発表するにいたります。
コロナ禍が、キックボクサー那須川天心のボクサー転向を早めた可能性は十分あります。
試合のルール
那須川天心と武尊の試合は、基本的にはキックボクシングルールで行われます。
肘なしルールで1ラウンド3分、ラウンド数や延長ラウンド数などの詳細はまだ発表されていません。
K-1のルールと異なる点が、ワンキャッチ&ワンアタックが認められているところです。
言葉の通り、相手のキックをつかんだ後に、一度だけ攻撃することが可能です。
このルールに対して武尊は、魔裟斗とのYouTube対談で、「このルールで10年やっていない。K-1だと掴まれるとブレイクになるので気を抜いちゃう」と言ってかなり戸惑っている様子です。(9:00~)
ただ、まだ試合までの期間はありますので、武尊はしっかり対応してくるでしょう。
ラウンド数は、今後の両陣営の駆引きで決まるのでしょうが、個人的には、“3ラウンド&延長1ラウンド ”で良いと思います。
いずれにしても天心と武尊の対戦は、格闘技界を盛り上げる良い機会ですので、二人とも最高のコンディションで当日も迎えてもらいたいです。
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